『売れるUSPの作り方』ジェイ・エイブラハム著の感想・内容解説

 

今回は、2021年4月に発売されたダイレクト出版の電子書籍『売れるUSPの作り方』をご紹介します。

本書で取り上げている「USP」という概念は、競合がひしめくネット社会において非常に大切かつ必須の要素となっています。

本書で紹介されているマーケティング手法を実際のビジネスに適用すれば、競合他社に負けない売上を生み出す可能性が高まるでしょう。

それでは以下で詳しく解説します。

 

『売れるUSPの作り方』の概要

『売れるUSPの作り方』は、タイトルにもある「USP」という概念を理論から実践まで網羅的に解説している1冊です。

 

「USP」とは「Unique Selling Proposition」の略で、「独自な売りの提案」という意味の言葉です。「他社にはない独自の強み」とも言い換えられます。

USPは、1960年代にテレビ広告のパイオニアであるロッサー・リーブスによって提唱された概念です。それを現代の事業家たちに広めたのが、著者のジェイ・エイブラハムだと言われています。

 

本書は以下の5部構成となっています。

  • 第1章 USPとは何か?
  • 第2章 なぜ今、USPが重要なのか?
  • 第3章 成功するUSP3つのポイント
  • 第4章 USPを自社に取り入れる
  • 第5章 USPの成功事例とその解説

 

第1章では、USPの定義、独自であることの重要性について述べています。

第2章では、現代のネット社会で起きていることから、USPがないと陥る問題について触れ、ネットビジネスにはUSPが必須であることを解説しています。

第3章は、USPを作るうえでの準備段階です。USPの大前提と3つの要素をここで理解します。

第4章は、USPを実際に作る段階です。5つのステップに分けてワーク形式で紹介されているため、迷わず作成することができます。

第5章では、強力なUSPによって成功した企業をいくつか挙げ、どのように独自の強みを見出し、どんなUSPを打ち出したのかを紹介しています。

『売れるUSPの作り方』はこんな方にオススメ

本書は以下のような方にオススメの1冊です。

  • これからビジネスを始める人
  • ビジネスをもっと軌道に乗せたい経営者
  • 「競合にはない自社ならではのセールスポイント」を明確に答えられない経営者

 

本書は主にネット上のビジネスを想定して書かれています。

しかし現在ではオフラインの経営であっても、WebサイトやSNSの運営などで集客を図っている企業・店舗も多いかと思います。

そのためどんな形態であれ、自社の商品・サービスを利用してもらいたいと考えるすべての事業者にとって、本書の知識は必須といえます。

『売れるUSPの作り方』の著者ジェイ・エイブラハムについて

ジェイ・エイブラハムは、アメリカの経営者・講演者・作家であり、2000年フォーブス誌にて「全米TOP5の経営コンサルタント」に選出された人物です。

460以上の業界、1万社以上のクライアントの業績向上を支援し、これまでに計9400億円以上の売上アップに貢献してきました。

彼のコンサルティングを受けた中には、IBM、マイクロソフト、シティバンク、AT&T、FedExといった名だたる大企業が数多く存在しており、「全米No.1マーケティングの指導者」と評されています。

 

アメリカの経済誌や世界的な経営者からも彼を称賛する声は多く、「ホンモノだ!全米でTOPの経営コーチの一人に入る。[1](フォーブス誌)」「彼はもっと分かりやすく効果がある戦略や、利益を生み出すテクニックを、人生で使いきれないほど教えてくれる。[2](FedExの共同創業者マイケル・バッシュ)」などの声が寄せられています。

『売れるUSPの作り方』で学べること

本書では、USPとは何かという理論から実際の作り方まで、USPについて網羅的に理解を深めることができます。

この章では、USPの重要性と成功事例について本書から抜粋して解説します。

なぜUSPが重要なのか?

競合他社ではなく自社の商品を買ってもらうには、他にはない独自の特徴やメリットを全面的に打ち出す必要があります。

そうでなければ、顧客があなたの商品を選ぶ理由がないからです。

 

概要でも述べたとおり、USPは1960年代に提唱された概念です。

それが半世紀以上経った現代になって再び大きな注目を集め出したのには、インターネットの発達が大きく関わっています。

これにより、以下の3つの問題が浮上しました。

  • ネットには競合が多すぎる
  • ネットで比較検討が簡単にできるようになった
  • ネットの顧客は注意散漫

これらを解決する策がUSPだと考えられたのです。それぞれ解説していきます。

ネットには競合が多すぎる

インターネットの発達によって、現代ではより安価かつ手軽に事業を始めることができます。

参入障壁が低くなった一方、似たような商品やサービスが大量に溢れるようになりました。

同じような商品ばかりが出回ってしまうと、顧客から見れば違いがわからず、どれを買っても同じだと感じてしまいます。

どれを買っても同じなら、顧客はより安い商品を買おうとするでしょう。

そのため自社から買ってもらうには、価格競争せざるを得なくなります。

この価格競争には終わりがなく、結果としてその業界はいくら売っても儲けが出づらい状態になってしまうのです。

 

また今は競合が少ない業界でも、儲かるとわかればすぐに情報が出回り、多くの個人や企業が参入してくるでしょう。

競合が増え続けてもなお自社の商品を買ってもらうには、他社にはない独自の強み、すなわちUSPが必要なのです。

ネットで比較検討が簡単にできるようになった

従来の店舗ビジネスでは、競合との比較は簡単ではありませんでした。同じ製品を取り扱う店舗に何件も足を運ばなければならなかったからです。

 

しかしネットの普及により、ありとあらゆる商品やサービスの比較が簡単にできるようになりました。

「食べログ」「価格.com」など比較検討するための媒体が誕生し、競合の商品・サービスの値段やスペック、アフターフォローといった細かい点までも比較ができます。

 

ネットユーザーは、比較によってその商品を買う「理由」を求めています。

簡単に競合と比較される状況でも、自社の商品を他社より魅力的に映すことができれば、顧客はその商品を買う理由を見つけ、購入に至る可能性が高まるのです。

そのためにも、その商品だからこそ得られる利益=USPが必要となります。

ネットの顧客は注意散漫

現代人はネット上の大量の情報に毎日晒され、脳の処理能力に負荷がかかり、注意力が著しく低下していると言われています。

マイクロソフトの研究によると、ネットユーザーの注意力はたったの8秒しか持続しないことがわかりました。

この研究結果からわかることは「わずかな時間で顧客の心を掴まなければすぐに離れてしまう」ということです。

 

しかしほとんどの人がこの事実を理解していないと著者は指摘しています。

多くの事業者は「Webページは読まれるもの」という前提で、長々としたメッセージを流してしまいがちです。

その結果、数秒の間にその会社の魅力が伝わらず、多くの見込み客を逃してしまう恐れがあります。

 

そうならないためにも、一瞬で顧客の心を掴む簡潔なメッセージ=USPを打ち出す必要があるのです。

USPの成功事例

強力なUSPを打ち出して成功を収めた日本でも有名な企業を、本書から抜粋してご紹介します。

ドミノピザ

ドミノピザの創業当時、ピザ配達には時間がかかるのが常識で、冷めたピザが届くことが多かったそうです。

そこでドミノピザは「どこよりも早い提供」という強みで他社との差別化を図りました。

打ち出したUSPは「熱々で美味しいピザを、30分以内にあなたのもとへお届けします。30分以内に届かない場合代金は頂きません。[3]」。

30分以内にピザを配達している店は当時なかったため、このUSPは強力に働き、ドミノピザは長年市場を制したのです。

サーティーワンアイスクリーム

サーティーワンアイスクリーム創業当時、多くのアイスクリーム店のフレーバーはせいぜい数種類でした。

そこでサーティーワンアイスクリームは、他社を圧倒的に凌駕するフレーバーの「数」で勝負に出たのです。

打ち出したUSPは「毎日違うフレーバーのアイスクリームを食べられます。[4]」。

「違う味のアイスクリームを毎日楽しめる」と謳ったこの魅力的なメッセージが多くの人々の目に留まり、大成功を収めました。

まとめ

今回は『売れるUSPの作り方』をご紹介しました。

顧客は商品を買うとき、それを選ぶ理由を欲しています。

  • とにかく安いから
  • ブランド力があるから
  • 注文から到着までが早いから
  • 店員の人柄に惚れたから
  • アフターサービスが充実しているから

 

など、理由は人それぞれです。

競合がまだ満たしていない顧客のニーズを分析し、自社が提供可能なサービスと組み合わせることで、他にはない唯一無二の強みが出来上がるのです。

 

USPはマーケティングの手法の一つなので、これさえあればビジネスが万事うまくいくというものではありません。

しかしこれといった魅力や特別なサービスを持たない会社の商品を愛用してもらうのは難しいでしょう。

一度利用してもらったとしても、リピートに繋げられなければ事業は安定しません。

USPの考え方は、事業を軌道に乗せるためにも、ライバルより突き抜けるためにも取り入れるべきなのです。

 

この記事ではUSPの重要性について主に取り上げました。

さらに本書では、USPを作る具体的なステップが丁寧に紹介されています。

ぜひ本書をお手に取って、あなたならではの強みを見つけてみてください。


[1] 引用元:『売れるUSPの作り方』推薦の声

[2] 引用元:『売れるUSPの作り方』推薦の声

[3] 引用元:『売れるUSPの作り方』第5章

[4] 引用元:『売れるUSPの作り方』第5章

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